【女子のばんそうこう】「好かれたい女」と「どうでもいい女」のその後。

前回のコラムでは「人の好みは千差万別」と書きました。少し広めに世界を見渡せば、少し漁場を変えれば、あらゆる趣味嗜好と可能性がある、と。何も最大公約数的なモテから外れていることを嘆く必要などないと。

ちなみに「少女マンガの主人公に男が惚れる理由」の回でも私は「世のモテ基準から外れている主人公に男性が群がる現象」を取り上げていたので「私はつまりこれを声を大にして言いたいんだな…」と思いました(笑)

というわけで今回はそのマンガネタ第二弾です!昔の少女マンガではなく、最近刊行されたアラサー向けマンガで、もう少しリアルにそういう状況が描かれているものを見つけたのでご紹介したいと思います。

ひとつは「タクマとハナコ」(はるな檸檬)。

ヅカヲタのハナコの生活は宝塚歌劇団の鑑賞を中心に回っているため、口を開けばディープなヅカ話しか出てきません。女友達からは「そんなんじゃ彼氏もできないよ。合コンの時に宝塚ネタは絶対禁止ね」と釘をさされます。しかしモテにあまり興味のないハナコはおかまいなしに宝塚ネタを語りまくるのでした…!

こんなふうに始まる物語なんですが、サブタイトルは「ある日、夫がヅカヲタに!?」です。つまり、こんなハナコに興味を持ったのがタクマくんという男性です。彼の「楽しそうだなと思ったから…もっと話を聞きたい」の言葉から始まった2人は交際、結婚を経て見事ヅカヲタ夫婦となるのです。

で、このマンガには他にも、彼氏が欲しいのでヅカヲタであることを必死に隠して男ウケを狙いまくった挙げ句疲れ果てたありさちゃんという女子が出てきます。彼女はハナコ&タクマを見て「なんで!?」となるわけですが、己を隠してしんどくなっていた彼女のその後の展開(第2巻)はなかなかに興味深く、私など「それだよそれ!」とバンバン膝を打ったのでぜひ読んで欲しいなと思います。

もうひとつは「A子さんの恋人」(近藤聡乃)。

NYにA君という恋人を残したまま日本に戻ってきて漫画家をしているA子さんに、元恋人であるプレイボーイA太郎くんが再び接近し、彼女の友人交えてのさまざまな人間模様が展開していきます。

このA子さんもモテにほとんど興味がなく、ものにも人にもあまり執着のないタチで非常にマイペース。好きな漫画の仕事はきっちり頑張っていますが、それ以外は強い主張もなく、煮え切らず、ゆえに恋人も元恋人もやきもきしてついかまってしまいます。

この物語には、ずっとA太郎くんに片思いし続けているI子ちゃんという女子が出てきます。彼女はいかにも可愛くてモテるタイプ。SNS上でもリアルでも、I子ファンはたくさんいます。ゆえにいつも「なんでA子みたいなのがA太郎くんとつきあってたのか分からない」と思っているし、A太郎くんが今でもA子のことが好きなのが納得いきません。

最新刊の4巻でI子ちゃんはついにA太郎くんにその思いをぶつけます。「なぜA子なのか」「なぜ私は恋人どころかあなたが遊んでる他の女の子の一人にもなれないのか」「私のダメなところを言ってほしい」と真正面から突っ込みます。その時のA太郎くんの答えとI子ちゃんがそれを飲み込むまでがもう…。あまりに切ないけど「なんか分かる」と思ったので、こちらもぜひ読んでみて下さい!

と、ここまで書いてどちらもネタバレしたくないがために何の示唆も結論も書いてないことに気づいた…すいません(笑)

正解も結論も、特にないんです。この二作品にはいずれも主人公が「モテよう、好かれよう」としていない姿とマイペースで好きなことをやる姿があり、そこに惹かれる男子がいます。そしてモテにまい進しているのに欲しいものを得られない女子も登場します。それぞれの理由みたいなものも描かれています。それを読んでただ「そういうのも、あるんだ!」と思って欲しいです。そして元気や自信がなくなった時に思い出して欲しいなと、思っています。

Written by あゆみ

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