出産は仕事にとって時間のロス…じゃない考え方 by 犬山紙子 × ハヤカワ五味

2017年6月、『私、子ども欲しいかもしれない。』を出版されたイラストエッセイストの犬山紙子さん。1月に35歳で第1子を出産された犬山さんは、この本を書き始めた当初、「素直に子供が欲しいと思えるタイプではなかった」そう。
同書は、「お金は大丈夫かな」「仕事と両立できるかな」など、出産や子育てに多くの不安を抱えていた犬山さんが、その不安と向き合うために、今子供がいない人やワーキングマザー、シングルマザー、子供を持たないと決めた人など、さまざまなタイプの方に聞いたお話をまとめています。
今回は、本の内容に心打たれたとTwitterでも語っていた実業家であり、大学生でもある21歳のハヤカワ五味さんと共に、結婚や出産についてざっくばらんにお話いただきました! 2回にわけてお届けします。


~ 幸せは勝った ~ 結婚・出産、ネガティブな話が多いけど…「あれ、意外とできるじゃん」


犬山さん:出産する前までは、(出産や子育ては)めちゃくちゃ大変、大変で大変で楽しむ余裕もないものだというイメージが強かったんです。ネットを見ていても、出てくる情報は「これだけ大変だった、しんどかった」というものが多くて…。
でも、産んでみたら「あれ、意外と楽しめている!」みたいな。今は友人と会った時に、「想像してたよりも子育てめっちゃ楽しいね、案外働けるね」みたいな話にもなっていて。
実際私も、今は子供と散歩をしているだけですごく楽しくて、幸せで、予想していた「自分の時間が全くない地獄の日々」とは全然違ったんです。子育てはしんどいかもしれないですけど、それすらも、一生懸命やりたいことに向かっている感じになりました。
ハヤカワさん:そういう“わるくないよ話”が聞きたいんですよね。


犬山さん:そうなんですよ、楽しそうな人たちの話も知れたら、両方を見て正確に(出産や子育てを)ジャッジできるなって思ったんです。「私たちは実際やってみたらこんな良い変化がありましたよ」とか「こんな風に人に頼ったり、環境を整えたら意外と自分の時間も持てましたよ」とか。もちろん、ひとそれぞれ違うものですが、一つの例として知りたいんですよね。なんだか日本では、カップルがのろけちゃいけない空気もあって幸せな話を出しづらいですよね。

「私はそれになりたいのかな…」ワーキングマザーには“ツラそう”なイメージも


犬山さん:10代後半や20代前半の子たちは、結婚や出産についてどう思っているんでしょう。
ハヤカワさん:結婚して出産するということを当たり前に感じている人の方が、少ないように思います。仕事をしたいという思いの方が先にきていて。結婚出産って、夢物語のような感じもありますし、自分のことで精一杯なのに、子供のことを育てられるのかっていう不安もありますね。
あとは、今の30代後半から40代の方々は、女性の社会進出が叫ばれる中でいろんな活動をされて、結果も見えてきた世代の方々だと思うんです。
女性が自由に仕事を選べる社会に貢献してくださったことをありがたく思う一方で、その世代を見て「私は本当に仕事がしたいんだろうか」とか、「こういった生活に憧れるのかどうか」みたいな部分で、ちょっと引っかかる部分があるのかなと思います。


犬山さん:私たちの世代が働きたいと思う人が多かったのに対して、(ハヤカワさん世代が)そう思っているのは、上の世代の人たちが生きづらそうだったりとか、まだまだ社会の中では妊娠出産によってキャリアが分断されてしまって、苦しんでいたりする姿があって、そういうところがどうしても伝わって、しんどそうなイメージがあるからですよね。
ハヤカワさん:確かに「生活を全部捨ててこの仕事頑張ってきたんです」とかっていうイメージは強くて、「それに自分がなりたいのかな」って思っている子は多いのかなとは感じています。

出産=時間のロス…じゃない!!


ハヤカワさん:(同世代の)周りの子たちの意見を聞いていても、“出産=時間のロス”だと考えている子が多いんです。今後仕事をしたいと考えている女の子にとってはマイナスなんですよね。
なので、個々人の体験で良いんですけど、参考になる情報がほしいなと思います。具体的に仕事ができなくなる期間がどれくらいなのかとか、気持ちや金銭面の話だったりとか…心構えがあって臨むとだいぶ違うと思っていて。
犬山さん:産休で強制的にお休みに入るというのは、仕事をする上でも結構大事だなと感じましたよ。
ハヤカワさん:と言うと?
犬山さん:一回、自分の中で仕事の整理ができるんです。どれを辞めるとかそういう整理ではなくて、「あ、あの仕事は私にとってこういう意味で大事だったんだな」と振り返ることができたり。あとは、仕事がすごくやりたくなって、闘志が湧いてきます(笑)。産休でだいたい4カ月くらい、育休は人それぞれですが、なかなかそこまで休める機会ってないので、案外整理できる良い時間でした。


ハヤカワさん:むしろ、次にガッと飛ぶための良い時間なるんですね!

家事分担は現代的に。家事代行サービスもフラットな気持ちで取り入れる


犬山さん:ずっと聞きたかったことがあって、ハヤカワさんたち世代の男の子たちは、家事分担についてはどんな感じなんですか。
ハヤカワさん:私は今彼氏と同棲しているんですけど、家事分担に意外と偏りはないかなと思っています。食器洗いは彼氏がやってくれていて、私は料理が好きで、自分でしたいからやっている。作りたくない時は食べに行こうよってこともあるし、自主的に選べるようになってきている感じがします。
犬山さん:私たち世代との違いで言うと、そこなのかなと。同世代の男性だと“家事はお母さんが全部やってくれていた”という人も一定数いたりして。
ハヤカワさん:私は家事も一つの仕事だと思っていて。それをどうフェアに分担し、どこを外注(家事代行サービス)にしていくかというのは、ドライに考えられる状況になってきているのかなと思います。

子は子、親は親。自分の人生を大切に思い、誇りを持って生きたならば 幸せはある



ハヤカワさん:この本の中で、「親は親で、子供は子供」みたいな感じの話があったじゃないですか。私達世代に限らず、親は子供に全部を出し尽くさなきゃいけないのかなとプレッシャーを感じている子も多いと思うんです。そういった中でこの話はすごく勇気づけられました。
犬山さん:確かに、子供は18歳くらいになったらいなくなっちゃいますからね。
この本は「子供を産もう」と言っている本ではなく、(執筆にあたって多くの方の話を聞く中で)“自分の人生さえしっかりと尊重できれば、子供を産もうが産まなかろうが幸せになれる道はあるんだ”ということをすごく感じて、それを伝えようと思った本なんです。
大変な状況にいる方でも、自分の人生を大切に思い、誇りを持って生きたならば、すごく生き生きと幸せそうにされていたから。私にとってそういう話はすごく大きくて、若い人たちにも伝わっていくといいなと思っています。

どんな生き方を選択しても、自分の人生をしっかりと尊重できれば幸せになれる道はあるという言葉がとても深く刺さりました。第二回目は、夫婦関係についてお話いただいたことをご紹介します。お楽しみに!

(LBR編集部)

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提供元:    LBR

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